臭い!いびきがうるさい!伝えにくいことを上手に伝えるには?

無意識のうちに人を傷つけてしまう人がいます。そういう人には大抵、“相手を傷つけている”という自覚がないので、その行為を日常的に繰り返しているわけです。

「君のその体臭だけど、なんとかならない?臭くて近くに寄れないよ」

もし突然、あなたが顔見知りの人にこんな事を言われたとしたら、どう思いますか?
たとえ話として聞いてほしいのですが、この場合、体臭の問題に自覚があろうがなかろうが、絶対にいい気分はしないと思うし、とても傷つくと思います。

でも、これが、あなたへの客観的な評価だったとしたら、あなたはそれを受け入れる事ができるでしょうか?
あなたは自分の体臭を自覚していて、なんとか他人にバレないよう、普段から自分なりに気をつけているかもしれません。半信半疑ながらも、「もしかしたら…」と不安を抱えながら生活しているかもしれません。他人が鼻をつまむような体臭が自分にあるなど、考えたことすらないかもしれません。

でも、ある日突然、 “自分の体臭が他人に迷惑をかけている” という現実を突きつけられた時、あなたはそれを受け入れる事ができますか?私なら無理です。

「君のその体臭だけど、なんとかならない?臭くて近くに寄れないよ」
などと突然言われて凄く恥ずかしいし、ショックだと思います。とてもすぐに受け入れることはできないと思います。そうなると、
「なんで俺がそんな事言われなくちゃいけないんだ!」
「そんなはずない!あんたの鼻がオカシイだけじゃないのか?」
と、受け入れることができない現実に対して人間は、“怒り”という行動に走ってしまいます。いわゆる“逆切れ”というやつなのですが、でも、これが、
「君、最近体調でも悪いんじゃないか?心配だよ。」
と言われたらどうでしょう?

Aさん:「君、最近体調でも悪いんじゃないか?心配だよ。」
あなた:「え、何?どうして?」
Aさん:「いや、最近君から内臓の悪い人のニオイがするからさぁ、体調でも悪いんじゃないかと思って心配してるんだ。」
あなた:「あ、そうなの?別にこれといって悪いところはないと思うけど…」

ストレートに指摘されるのと比べると、ずいぶん違うと思います。あなたがこの問題を自覚していたなら、「ああ、やっぱりバレていたのか…」と考えを改め、これまでよりも真剣に問題に対して取り組むでしょう。自覚がなかったとしても、この問題に対して真剣に取り組むキッカケになると思います。

ここで言いたいのは、相手に対して、いかに不愉快な思いをさせず、いかに恥ずかしい思いをさせず、いかに相手を傷つけずに伝えたい事を伝えるか、ということです。そして、相手に自分自身のことを改めて考え直すキッカケを与えることが重要だということです。

先の会話において、あなたは伝えてくれた人に対しては少なくとも悪い感情を抱くことはないと思います。なぜなら、あなたに伝えてくれた人には、思いやりの態度が全面的に表れていたからです。

それに気付けるかどうかはその人次第ですが、「相手を傷つけずに言いづらい事を伝える」という事に関していうなら、Aさんはあなたに対してベストを尽くしたと言ってもいいのではないでしょうか。

“相手に問題を改善してもらう”ということが最終的なゴールだとは思うのですが、それを達成するためには、それ以前に乗り越えなければならない壁があります。それは、“相手を傷つけずに伝えたい事を伝える”という壁です。まずはこの壁を乗り越えないことには、相手の問題が改善される可能性は低いままなのです。

他人がイメージするあなたと自分自身がイメージするあなた

せっかくあなたに読んで頂いているわけですから、あなたの少しでもお役に立てればと思いながらこの記事を執筆しています。

ここで一つ、あなたに聞きたいことがあるのですが、あなたは自分のことをどんな人間だと思っていますか?
あなたのセルフイメージです。
少し考えてみてください。

私は今、あなたのことをとても賢くて素晴らしい人間だと想像しながらこの記事を書いているのですが、どうでしょうか?
私が想像しているように、あなたという人間が“とても賢くそして素晴らしい人間”なのかどうか考えてみてほしいのです。
「いやいや、私はそんなに賢くないし、素晴らしくもないですよ。」
という感じでしょうか。

それとも、
「はい、全くその通りだと思います。」
でしょうか。

OKです。
一体何のためにこんなことを聞いたのかと言うと、あなたに自分自身を客観的に評価してもらいたかったからです。

あなたは今、自分という人間を自分自身で評価しました。
あなたのセルフイメージです。
別にあなたが自分を賢くて素晴らしい人間だと思っていようがいまいが、どちらでも問題ないのですが、ここで私が伝えたかったのは、あなた自身がイメージする自分と、他人がイメージするあなたは、必ずしも一致していない可能性があるということなのです。

もし私が、自分自身のことを、とてもイケメンで、性格もよくて、魅力的なナイスガイだと思っているとします。
(思ってないですよ。たとえ話です。苦笑)
そうすると、私の中では、とてもイケメンで性格もよくて魅力的なナイスガイな自分が現実なわけです。
あなたが自分のことを“とても賢くて素晴らしい人間”だと思い込んでいたとしたら、それがあなたの中での現実なのです。
でも、周りの人間はそう思っているとは限りません…

自分では“とても賢く素晴らしい人間”だと思っている。
でも他人は、自分のことをそうは思っていない。

ここではじめて、自分の中での“セルフイメージ”と、他人が評価する客観的なイメージに“ギャップ”が生まれるわけです。
私やあなたが思い描いている自分像というのは、あくまで私やあなたが勝手にイメージしている自分の姿です。

でも、それが他人にとってもそうかと言うと、実はそうではない可能性のほうが高いのです。
かなりかけ離れているかもしれません。
あなたが自分のことを勝手にイメージしているように、他人もあなたのことを勝手にイメージしているということを忘れないでください。

自分のことを客観的に見ることができる人というのは、なかなかいません。
性格が悪いと思われている人でも、その人にとっては自分の性格が悪いなんて思っていないかもしれない。
誰がどうみてもメタボなんだけれど、でも本人はそうは思っていないかもしれない。
凄く体臭が酷いんだけれど、自覚していないかもしれない。
自分のことを客観的に見ることは本当に難しいことです。
自分と他人には、大なり小なり認識のギャップがあるということを改めて理解してほしいと思います。
そしてそのギャップこそが、相手を傷つけてしまう原因だということを覚えておいてください。

思ったことを相手に言うべきか、言わないべきか

あなたが今、ある特定の人の何かに対してストレスを感じていたり、問題を感じていたりしても、相手はその問題に気づいていない可能性が高いと考えるようにしてください。
もちろん、すでに本人は自覚しているという可能性もあります。

気付いてはいるんだけれど、自分の力では解決しようがない。
こんな状況なのかもしれません。

どちらにしても、その人が、あなたにとって特に親しくもない人間なら、そしてその問題が我慢できる範疇にあるならば、放っておいてもいいと思います。
私ならそうします。
親しくもないのなら、「大きなお世話」と思われたり、恨まれたりするリスクを取る価値はないと考えるからです。

ただ、その人があなたにとっての“大切な人”であるならば、その問題に正面から向き合わなければいけないと思います。
なぜなら、その問題を放置しておくことで、その大切な人は、いつか必ず傷ついてしまうからです。
それを回避するためには、まずは、相手に問題を伝えると言うプロセスが必要になってきます。

「君、デブだね。ダイエットしなよ。」
と言えば、それはそれで伝わるのかもしれませんが、それでは相手を怒らせてしまうだけです。

相手を怒らせるのが目的ではないと思います。
大事なのは、“相手を傷つけずに”ということ。

“問題”を自覚しているかどうかもわからない相手に対して、傷つけずにその問題を伝えるということは簡単ではありません。
とても慎重になる必要があります。
とてもデリケートな問題です。

思った事を思ったように相手にぶちまける人は、人として問題があると私は考えます。
「私のモットーは相手に対して思った事をハッキリ言うことなの」みたいな考え方を持っている人も中にはいると思います。
こんな人ほど、どんなに相手を傷つけようが最後には決まって「それがあの人のためだから」と言うのですが、本当に困ってしまいます。

なぜなら、相手のことを思いやる気持ちよりも、自分のポリシーや満足度を優先しているからです。

いいですか。
目的は相手に伝えることです。
相手に気づいてもらうことです。

最終的に相手が問題を解決することがゴールなんです。
自分の本音を一方的に相手にぶちまけて、凹ませて、傷つけて、自尊心を壊して、自分の気持ちをスッキリさせることではないのです。

これから“言いにくいことを伝えるコミュニケーションスキル”をいくつか例を交えながらお伝えしていこうと思うのですが、このスキルを身につけると、面白いように自分の気持ちを相手に伝えることができるようになります。
仕事ははかどるし、私生活でもトラブルなく、快適に過ごすことができるようになるでしょう
決して難しい事ではありません。
ちょっとした気の遣い方や言葉の使い方でこんなにも違う結果が得られるのだという事をわかって頂けると思います。
是非、あなたも試してみてください。

間接的に伝える

自分の口から伝えることだけがコミュニケーションの手段ではありません。
要は、相手に本意が伝わればいいのです。

たとえば、妻に「あなた、最近加齢臭がするわよ」と言われても、「ふーん」くらいで終わってしまい、その問題に関しては何も進展しない場合があると思います。
身近な存在であればあるほど、親しければ親しいほど、素直に受け止められないことがあると思います。

ここでは、自分の口から直接伝えるのではなく、他人や物を使って間接的に伝える方法をご紹介します。

【ケース1:他人を使う】

人は、親しければ親しいほど、その人に対しての“甘え”や“羞恥心”、“怒り”等が先行する場合があります。
たとえば、「あんた、だらしのない格好をするのはやめなさい!」と親から言われても、「うるさいなぁ」と流してしまうことは多いと思います。

これは自分の親に対する甘えです。
でもこれが、「おいっ、だらしのない格好するんじゃない!」と会社の上司に言われたとしたら…
「すみません…」

大抵の人がこうなるのではないでしょうか。
「あなたイビキがうるさいわよ」と、妻に言われても、
「…(別に大したことでもあるまいし…)」
と、さほど気にも留めない場合が多いでしょう。

でもこれが、会社の慰安旅行などで「君、イビキ凄かったねぇ…」と上司や同僚に言われたとしたら…
「そうですか…(そんなに俺のイビキは酷いのか…)」
となるでしょう。

言われる相手の立場や関係によって、受け止め方は180度変わります。
このように、その人の立場や人間関係上、厳粛に受け止めざるを得ない相手から直接言ってもらうというやり方は有効です。

その場合は、伝えてもらいたい相手にあなたからお願いする必要があります。
先程の例では会社の上司や同僚でしたが、実際にそれが難しければ、その人の友人でも、その人にとって影響力がある人ならば、誰でもいいと思います。

もちろん、その人を傷つけないように伝えることが大前提ですから、あなたがお願いする相手にもそのことを十分に理解してもらうことは忘れてはいけません。
「本人が傷ついたり、大恥をかいたりする前になんとかしてあげたいから、それとなく伝えてあげて欲しい。」
と、真剣に訴えましょう。

頼まれた相手にとっても気の進まない相談の場合が多いと思いますから、とにかく“相手のことを心配している”という真剣な気持ちを伝えることが重要です。
併せて、「あなたなら信頼できると思って…」や「あなたしか頼れる人がいなくて…」と一言添えれば、相談される相手にとって悪い気はせず、「よし、自分がなんとかしてやろう!」という気持ちにもなってくれる可能性は高くなります。

<まとめ>
・親しい関係であればあるほど、相手は真剣に受け止めてくれなかったり、素直になれなかったり、また余計に怒りが込み上げたりする可能性が高い。
・立場の違う人間から指摘されると、素直に聞かざるを得ないので、そういった人に相談をするのが有効
・相手の問題に自分が迷惑しているからとか、そういった自分本位の気持ちで行動しないこと。常に相手のことを思いやる気持ちが大事であり、そういった気持ちが最後には相手にちゃんと伝わる。
・相談を持ちかけられる人の気持ちも考える。一方的にお願いするよりも「あなたを見込んで…」という言葉や真剣な気持ちが大切。

【ケース2:物を使う】

身の回りの物を使うのも有効な方法のひとつです。
たとえば、相手の『慢性的な口臭』に悩んでいる場合は、相手の目の届く所に“口臭に関する本”などを置いておきます。
相手が自覚しているかいないかにもよりますが、大抵は「何これ?」と聞いてくると思います。
その時あなたは一言、「人から借りた」と言えばいいのです。

併せて、「最近会社で口臭が強い人が増えてきていて、『予防に』って同僚が貸してくれたの。」と、理由を用意しておくといいでしょう。
相手に少しでも自覚があれば、「他人事ではなさそうだ」と真剣に取り組んでくれる可能性が高くなります。
相手に自覚が全くない場合でも、興味を持つキッカケになるかもしれませんし、「一緒に予防しない?」と誘うことも自然にできると思います。

物は使いようです。
もちろん相手の性格やその時々の状況など、様々な要因が絡み合うわけですから、この手順通り上手くいくとは限りません。
あなたなりの工夫も必要になってくるでしょう。
ですが、そこで“出来ない理由”を探すのではなく、いかに自分に有利な状況に流れを運ぶかを考えてください。

自分の口から伝える

次に自分の口から直接相手に伝える時の“伝え方”というのをご紹介します。
自分の口から相手に伝える場合には注意が必要です。
何度も言いますが、いかに相手を傷つけずに伝えたい事を伝えるか、ということが重要ですから、それは常に忘れないでいてください。

【ステップ1:最初から核心に触れない】

「口臭がすごいよ」
もしあなたが、急にこんなことを言われたら凄くショックだと思います。
全く自覚がない場合は、ショックを受ける以前に、その事が信じられず「何を馬鹿な事を」と、笑ってしまうかもしれませんね。
相手が傷つくとわかっているのに、最初から問題の核心に触れてしまってはいけないのです。
相手を怒らせたり、恥をかかせたりするだけですから。
それなので、最初は当たり障りのない話、救いのある話から入っていくのが賢明です。

たとえば、あなたが誰か大切な人の『口臭』で悩んでいた場合の例えですが、
「口臭いよ」
と、いきなり核心に触れるのではなく、
「最近、胃の調子でも悪い?」
「どっか体の調子でも悪いんじゃないの?」
というように、話を核心に持って行く前に、相手が受け入れやすい言葉をクッションにすると気まずくならずに済みます。

核心に入るのはその後です。
相手のイビキで悩んでいる場合は、
「最近疲れてるんじゃないの?」
「眠りが浅いんじゃないの?」
などです。

【ステップ2:言葉を変える】

『口臭』や『イビキ』というストレートな言葉を使わず、違う言い方、表現に変えることも必要です。

先ほど、「最近、胃の調子でも悪い?」と切り出しました。
すると相手は「なんで?」と聞き返すでしょうから、たとえばそこで…
「いや最近、胃腸が悪い人のニオイがするからちょっと心配で…」
と、『口臭』という言葉ではなく、『胃腸が悪い人のニオイ』という言葉に置き換えるのです。

すると相手は、「胃腸が悪い人のニオイってどんなニオイ?」と聞き返すかもしれません。
そうしたら、
「『臭い』ってのとはちょっと違ってて、何か病的な臭いとでも言うのかな。胃腸とか内臓が弱ってたりすると、口から病的な臭いがするんだって会社の人が言ってたから。」
という具合に、あくまで『病的な臭い』という言葉に変え、それに合わせて会話を組み立てていきます。

口が臭いというのと、病的な臭いがするのとでは、言葉の印象も精神的ダメージもずいぶん違います。
単に「口が臭い」と言われた本人にしてみれば、「不潔」「汚い」と言われているのと同じなのです。
でも、これが「病的な臭い」となると捉え方は違ってきます。

誰でも体調を壊したり何らかの病気にかかったりすることは当然あるわけですから、そのことが原因での“症状”だとすれば言われた本人も受け入れやすいというわけです。

これが『イビキ』だとすると…
「寝てる時凄く息苦しそうだし、イビキも出てるよ。」
くらいがいいでしょう。

ここでは、最後に『イビキ』という言葉を使ってはいますが、「寝てる時、凄く息苦しそうだし…」という言葉の組み立てが、後に続く『イビキ』という言葉のショックを軽減する役割になっているわけです。

【ステップ3:さらにフォロー】

「元々口臭とかない人だから余計に心配で」
「元々イビキとかしない人だから余計に心配で」
という風にフォローが入ると、さらに相手を追い詰めずに話を進めることができます。

この場合、元々口臭があろうがなかろうが、元々イビキをかいていようがいまいが、とりあえずはOKです。
相手の精神的負担をできる限り少なくすることが最優先ですから。

「元々口臭とかない人だから余計に心配で」
「元々イビキとかしない人だから余計に心配で」
こう言われると、何か“一時的な症状”だという捉え方をしてくれるので、羞恥心なども特に芽生えることはなく、相手も自分の体の異常に関心を持ちやすくなります。

【ステップ4:『解決策』を提示するための伏線を張る】

最後のステップになります。
この最後の『解決策』を提示するための伏線を張る、というステップも重要です。
これはわかりやすく言うと…
“あなたの問題の解決策を私は知っていますよ”
ということを自然に、スムーズに相手に伝えるための状況、つまり“伏線を張る”、ということなのです。

たとえばあなたが、相手のために問題の解決法を本で調べたりしたとします。
ですが、それは、なかなか相手には公にできないケースの方が多いと思います。
なぜならあなたが、その問題を“深刻に考えている”ということを相手に悟られてしまうからです。
「わざわざ時間を使って調べてくれるほど、俺の問題は深刻なのか…」と、思われてしまってはうまくありません。

ですから、こういう場合は…
「そういうのに詳しい人が会社にいるから今度聞いとくね。」
などと言っておくと、後から問題を克服する方法を自然に相手に提示してあげることができます。

【まとめましょう】
ここまでで、頭が混乱してしまっているかもしれないので、あなたと相手の会話を流れで追っていきましょう。

<口臭の場合>
あなた「最近、胃の調子でも悪い?」
相手「なんで?」
あなた「いや最近、胃腸が悪い人の臭いがするからちょっと心配で…」
相手「胃腸が悪い人の臭いってどんな?」
あなた「『臭い』ってのとはちょっと違ってて、何か病的な臭いとでも言うのかな。胃腸とか内臓が弱ってたりすると、口から病的な臭いがするんだって会社の人も言ってた。」
あなた「元々口臭とかない人だから余計に心配で」
相手「…人前とかで大丈夫かな?」
あなた「会社の人がそういうのに詳しいから今度聞いとくね。」

<イビキの場合>
あなた「最近疲れてるんじゃないの?」
相手「どうして?」
あなた「寝てる時凄く息苦しそうだし、イビキも出てるよ。」
相手「え、イビキ?うそっ」
あなた「元々イビキとかしない人だから余計に心配なんだけど。」
相手「じゃあ疲れてるのかな?」
あなた「友人が最近ある方法でイビキを治したって話してたから、今度その方法聞いとくね。」
相手「うん、サンキュ。」

どうでしょうか?
ずいぶん自然に伝えてあげることができていると思います。

ここで紹介したような“伝え方”というのはあくまで理想形です。
実際には慣れるまでに時間がかかると思います。
ですから、実際に相手に伝える前に何度も自分の中でシミュレーションをしておくことが必要です。
自然とこのような話の展開に持っていくことができれば、相手を傷つけずに問題を伝えることは難しくありません。

ここでは、『口臭』や『イビキ』という身体的な悩みについての解説でしたが、仕事やその他の問題にも応用することももちろん可能ですので、是非このような人の感情をコントロールするスキルを身につけてほしいと思います。

あなたの人間関係は、今よりもずいぶん良くなるはずですし、あなた自身の人間関係によるストレスも少なくなると思います。

【ケース1:自分も同じ悩みだと伝える】

口臭やイビキ、肥満などが、その人の大きなコンプレックスになってしまう原因の一つとして“孤独”というのがあります。

人間誰でも、独りではどうしても乗り越えられない壁があります。
独りで悩みを抱えているために、その壁に押しつぶされてしまい、その人本来の明るさや社交性などを失ってしまうのです。

そこであなたが、自分も同じ悩みを抱えているのだと言ってあげることが相手を救うことにつながる場合が多いです。

たとえば、前にお話したような流れで相手に問題を告げることに成功したとします。
それだけの段階を踏んだとしても、もしかしたら多少は傷ついているかもしれません。

そんなときに…
「で、実はさぁ。俺も同じなんだよね。会社の人に口臭が酷いって言われちゃって…」

こんな風に、あなたが相手と同じ悩みを抱えているということを伝えてあげれば、あなたと同じ悩みを共有することで、一緒に協力して克服しようという意識が芽生え、独りで取り組むよりは何倍も励みになるでしょう。

【ケース2:理解があることを示す】

あなたの思いが真剣であればあるほど、相手も真剣に聞いてくれます。
自分が現在同じような問題を抱えている(もしくは過去に同じような問題を抱えていた)。
そして、色々と解決策を調べていた経緯があるから、その問題に関しては理解もあるし知識もある。

その問題に直面していることは決して恥ずかしいことではないんだ。
そして、すぐに乗り越えられる問題なんだ。
こんな風に、あなたがその問題に対しての理解を示せば示すほど、相手も心を開き、あなたを頼りにしてくれます。

別に、「自分が悩んでいた」ということでなくても構わないと思います。
親友が、親が、兄弟が…
大切な人が同じ問題を抱えているから、なんとか解決したくて、一生懸命調べた…でもいいと思います。
大切なのはあなたの誠実な態度と真剣な気持ち、そして思いやりです。

全ては大切な人のために…
前にも同じようなことを言いましたが、“思っていることをハッキリ伝える”ということにポリシーを持っていたり、そのほうが回りくどくなくてスッキリする、という考えを持っている人も中にはいると思います。

ですが、少し考えてみてほしいのです。
確かに、他人にお願いしたり、物を使ったりすることを「小賢しい…」とか「ズルイ」という風に思われるかもしれません。
遠まわしに核心に入ったり、問題の表現を変えたり、伏線を張ったりすることを「面倒くさい…」と思われるかもしれません。
いくら小さな嘘だとしても、自分も同じ悩みだと伝えたりすることに違和感があるかもしれません。

ですが、ここでの最大の目的は“相手が抱えている問題を、いかに相手を傷つけないように伝えるか”ということです。
もうウンザリしているかもしれませんが、本当に大事なことなので何度も言いたいくらいです。
あなた自身の気持ちよりも、相手のためになる言動を優先すべきことがあると思います。

なぜならそれは、あなたにとって大切な人の問題だからです。
嘘も方便。
相手のためを思ってつく嘘を、私は嘘とは思いません。
もう始まっています…

さいごに

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。
今回はわかりやすいように、『口臭』や『イビキ』などのコンプレックスに焦点を当て、いくつか具体例を挙げながらお伝えしてきましたが、人間関係やコミュニケーションというのは本当に深い分野です。
正直言いまして、これは一朝一夕で身に付くようなスキルではないと思っています。

ですが、私を含めた多くの人が、このようなコミュニケーションスキルを普段の生活に取り入れることで、より良い人間関係を構築し、そして円滑にすることができています。

ただ、初めて実戦する人にとってはとても難しく感じるかもしれません。
初めはなかなか上手くいかず、逆に相手を怒らせてしまったり、空回りしてしまったりすることもあるかもしれません。
そうならないように、相手と接する時は、事前に頭の中でのシミュレーショを行うことが必要です。

必要なのですが、それでも小さな失敗はどうしてもあると思います。
ですが、もしそうなったとしても、自分を責めないでほしいのです。

なぜなら、それはあなたが相手のことを真剣に思いやっての行動なわけですから、後悔したり、自分を責めたりする必要は全くないのです。

一度や二度上手くいかなかったからと言って、相手を思いやることをやめてしまったら、あなたの大切な人はきっといつか傷つくでしょう。
その時は失敗に終わったとしても、相手はいつかきっと、あなたの気持ちに気づいてくれます。
あなたが今、誰か大切な人に何らかの問題を感じているのであれば、あなたが率先してその人の力になってあげるべきだと思います。

勇気を出して行動することでの後悔はありません。
何もせず大切な人が傷つくことでの後悔はとてつもなく大きな後悔となります。

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